“概念”
どの分野に対してもそうですが、
概念を習得するのは、
非常に高い壁となります。
数字の場合ですと、
まずは、数字マッチング、
次は、
数字と音、
または、
1●といったように、
1とは、何かを1こ置くことなのか。と知るルートへ進むことになります。
視覚優位か聴覚優位化によりどちらのルートから言った方が理解が進むかは人それぞれです。
まだどちらのルートもマッチングの域を超えていません。
「●を1こください」と言われて初めて“概念”の習得状態に入っていると言えると思います。
では、数字だけを重点的にすれば身につくかというとそうともいきません。
なぜなら「ください」の意味を理解しているかも判断しなければいけないですし、
「〜を、ください」と文章を継続して聞いていられるかどうかも確認する必要があります。
それからワーキングメモリにアプローチする必要があり、
名称をしっかり覚え続けることができるか、
短期記憶・長期記憶の訓練もしていった方が良いでしょう。
一見、なんの関係もないような活動を地道にコツコツ積み重ねていった先に、
“概念”というのは、ふと乗っかってくる。
そんなイメージです。
”概念”を習得させるぞ〜と肩肘張っていきなり成功するなんて経験はこれまでありませんでした。
5以上の個数を認知できなかったAくん
ちょうど1年ほど前まで、
「●を5こかいてください」という質問に手を動かすことができなかったAくんがいます。
「●・5」と端的かつ数字の5カードを見せることでなんとか取り組んでもらう形でした。
(そもそも集中力がなく独り言が多かったです)
そんな彼は、
文章を聞き分けたり、動詞が苦手だったり、●を器用に書けなかったり、周辺の刺激に弱いということに気づきました。
なるべく、周りで刺激になりそうなものを片付けて、
些細なことから身振り手振りで動詞を伝え、
●を書く練習をするために、ぬりえや迷路を毎回取り入れたり、
それからもちろん個数を伝える練習をしました。
半年後には、
集中して取り組めるようになり、
10までの個数は正確に書けるようになりました。
10ヶ月後には、
●を書きながら15以下のたしざんを身につけることができました。
1年経って今は、引き算の文章問題(児と先生でやりとりしながら)に取り組んでいます。
成長ペースは人それぞれですが、
(※Aくんは週2回通っています)
Findでは、“概念”は諦めようなんていう”概念”は存在していません。
森
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