
ちょうど先日、
ゴジラ好きな子が、
シークレットくじを引いたらメカゴジラが出てしまった。
あんなのゴジラの偽物でカッコ悪い。
僕はゴジラが好きなのであって、
ゴジラ欲しさに袋を開けたのに、
メカゴジラで落ち込んだという話をしていました。
きっとみなさんもこれまでこういった場面は多々あったのではないでしょうか。
回答例①「うーん、でもお母さん(お父さん)はメカゴジラもカッコ良いと思うけどなぁ」
解説:平和的解決を願っての発言で、突発的に注意したりしていないので、好感が持てますね。
ただ、主語をよく見ると、子ども目線にはなっていないので、
多くの場合、「カッコ良くない!」とピシャリ一喝されて行き詰まるのではないでしょうか。
回答例②「ゴジラはもう持ってるじゃないの。メカゴジラとゴジラで戦わせてみたら良いじゃない」
解説:「一言目のゴジラはもう持ってるじゃないの」が子どもの感情に寄り添えてる度が低めで、やや怪しい展開ですが、
後半、子ども目線でメカゴジラとゴジラで戦わせるという新展開を提案しているので、イーブンからやや楽しい方向に気持ちが
進むかもしれません。
ただ、前半を、「そっかぁ残念だけど仕方ないね」と気持ちを汲んだ発言にしていたらかなり良いかもしれません。
回答例③「じゃあもう今度から買わない。」
解説:よろしくない回答ですね。
次回以降はないと思うとその場で号泣、癇癪に発展するかもしれないです。
それに、本心を出すことに躊躇うようになってしまうかも。
はたまた、どんどん反発する方向に向かうかも。
どちらに向かう可能性もあって、
どちらも最高の結末ではないですよね。
この回答例の良くない点は、
発言もそうですが、
対話姿勢を全く見せていないところです。
結果がどうであれ、
しっかり子どもと対話する余地を残してあげていないと、
スムーズなやりとりから離れてどんどんこじれていってしまいます。
塾長森の回答
「え!でもさ、もしさゴジラがいる世界に住んでたとしたら、めっちゃメカゴジラ応援したくない?」
「ゴジラめちゃくちゃ街壊してくるし、メカゴジラが強かったらすぐ追い返してくれて最高やん?」です。
すると、
「先生、ゴジラはこの世界にいないよ」と来たので、
「でもさ、ゴジラってめちゃくちゃ深海に住んでるやん?日本の近くの太平洋って海にはめちゃくちゃ深い溝があって、まだ全部調べられてないんだよ」
「それに、クマが人間の街まで来るようになったのは、人間がクマの住んでいるところまで山を開いたり、とにかくクマに近づいてるからで、たまたまゴジラが住んでる深海まで人間が到達してないからゴジラが怒ってないだけで、もしかしたらゴジラの近くに行ったら出てくるかもよ」と続けました。
すると、
「はいはいそうですか」と。
そう。
大人と子どもの反応が逆転しているわけです。
そして、
『メカゴジラ残念』なんていう気持ちがどんどん遠ざかっていって、
社会問題である野生動物と人間の関係、
引いては過疎化問題などに発展していけるわけです。
主語の観点からいくと、
“現実世界のぼく”と“ゴジラが来た世界の僕”と、
次元を超えた体験ができていますよね。
ここまでの議論を展開してほしいとは言いませんが、
見方一つでどこまででも飛躍していくことができる一例として紹介させていただきました。
いつも同じ受け答えをしていると、
定型的なやり取りしかできないですし、
たまにイレギュラーな挑戦をしてみると、
シンプルにワクワクするのでおすすめです。
塾長 森
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